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 リハーサルが始まる前は、音楽が演技に合わせて追いかけていくしかないコラボレーションになる可能性を心配していたが、「羽生選手がすごいのは、僕に合わせて弾いてほしいと言ってこなかったこと」。

 ピアニストが一方的に合わせるのでは、CDをかけての演技と変わらないものになってしまう。羽生は、リスクを負ってでも、ライブに価値を見出していたということだ。

 実際に、ライブでしか表現しえない演技だったからこそ、「今日はこうだった。こう感じた」という様々な感想がネット上に溢れ、会場によって、観る人によって異なる感動を引き起こしたのだろう。

 「何かを犠牲にしてでも新たな価値観をもてるセンスというのはやっぱり、普段の生き方ですよね。どういうふうにカッコよく生きていくか、で決まると思います。それに、羽生選手は日頃からすごく色んなことに本格的に興味を持っていらっしゃる。音楽のことも楽器のことも、そのときの付け焼刃じゃなくて、本当に普段から興味を持っていらっしゃるからこそ、成立したことだと思っています」